新型コロナウィルスによる感染症になったときに、

自宅等で療養する場合に注意すべきこと

 

                      藤田 信

(静岡市、医学博士)

 

はじめに

 2019年の師走から現在に至るまで、日本国内では新型コロナウィルス感染症の流行は7つ襲ってきました。

オミクロン株による7つ目の第7波は現在進行中で、8月末頃にはピークを迎えて収束するという、ヨーロッパと同様の動きになる予測がありますが、政府としては想定外(私にとっては充分に想定内)のオミクロン株の亜種の発生があり、また、ヨーロッパと日本との免疫獲得の状況も異なりますので、同じになるとは断言できません。

個人的には、今回の第7波では日本の1日当りの新規感染者数は、全国で最大30万人(83日現在249,830)、東京都で最大5万から10万人(40,406)、静岡県で最大1万人(7,320)、愛知県で最大5万人(17,778)に上るのではと概算しています。最近の1週間の日本の新規感染者数が世界1(これは私でも想定外)となったことから、全世界で流行するパンデミックな新たな変異株が日本国内で生まれるかもしれません。

実は、東京オリンピック・パラリンピックで全世界の人が、選手と家族関係者、大会関係者、マスコミ関係者、観客が集まるという、全世界のウィルスの株が東京に集まる可能性のあることから、大会期間中あるいは各国へ帰国後に変異株が発生するのではと予測していましたが、日本政府が関係者の受入れ人数を絞り、海外からの一般観客なし、国内の観客も極めて限定的にしたために、予想した変異株は発生しなかったようです。オミクロン株と東京オリ・パラの関係は不明です。

さて、現在はどのような状況であるかというと、昨年から「ウィズ(一緒、共にいる、共存)・コロナ」という言葉が、新聞記事やテレビの報道番組の中で安易に使用されていますが、季節性インフルエンザに対するタミフルやリレンザのような、ほぼ誰にでも使用できる、決定的な治療薬が開発され、国で薬事承認され、保険薬剤として収載されて一般診療で使用されるまでは、「ウィズ・コロナ」など夢のまた夢の話で、安易に口にして国民の感染予防に対する意識を低下させるべきではありません。誤ったメッセージになります。今は「フォローイング(追いかける、追従)・コロナ」ともいえる状態でしょう。

個人的には、塩野義製薬の臨床治験中の治療薬が軽症、中等症を対象としているということで期待していたのですが、最近の国の審査で、ウィルスに対する効果は認められるが、症例が少ないためか、症状の改善が証明されないので、最終的に症例を集めた上で再度審査するとの結論となりました。

 

 

総 論

新型コロナウィルスについて

「新型コロナウィルス(SARS-CoV-2)」はコロナウィルスの一つであるとともに、コロナウィルスは風邪の原因ウィルスの一つで、ヒトに感染する呼吸器系ウィルスの一つでもあります。

コロナウィルスの「コロナ」とは、王冠の「クラウン」、太陽の「コロナフレア」が語源ともいわれ、表面の凹凸のある突起が特徴で、この突起を抗原とするmRNAワクチンが作成されて、重症化の予防に活用されています。

 

新型コロナウィルス感染症の主な症状

主な症状は発熱、咽頭(のど)痛、咳嗽(せき)、鼻汁と倦怠感(体のだるさ)ですが、感染者の一部に味覚や嗅覚の異常のあることは、特異的(その病気にしかないもの)ではないですが特徴といえます。味覚の神経は顔面の骨の中を走っていますし、嗅覚の中枢は上鼻腔(鼻の空洞の最上部)の上に接した頭蓋底にありますから、解剖学的には、ウィルスとして十分に有り得る進み方ではあります。

また、全ての変異株に共通しているか分かりませんが、糖尿病の人や、コレステロールや中性脂肪の血中濃度が高く動脈硬化が進んでいる人では、肺の血管の内皮細胞に侵入して炎症反応が生じるだけでなく、そこに過剰反応(サイトカイン・ストーム、あるいは免疫の暴走)を引き起こして、ウィルスそのものによる障害をはるかに超える障害を生じさせることがあります。

この免疫の過剰応は、喫煙によって血管が傷ついている人や、肥満の人も同様に生じる可能性があります。

※サイトカイン・ストーム…新型コロナウィルス感染症では炎症に関連する物質(インターロイキンと称されるリンパ球に作用する物質)が制御なしに産生されて、過剰な炎症(微小血管の血栓血管炎)によって重篤な肺炎が生じ、これには抗生物質が無効で、ステロイドや抗サイトカイン製剤(抗リウマチ薬など)が使用されることがあります。一般的には、ステロイド製剤は炎症を悪化させる方向に作用しますが、サイトカイン・ストームに対しては鎮静化する方向に作用します。

 

「感染」とは?

新型コロナウィルスをはじめ微生物を原因とする病気、感染症を考えるとき、基本的な知識として「感染」の意味することを知っておく必要があります。

現在、日本国内の報道で表現されている「感染」には2つの意味が含まれているようです。報道にいう「感染」には、英語の文献、文書で使い分けられている「感染;動詞infect、名詞infection」と、「伝播・伝染;動詞transmit、名詞transmission」の2つの意味が含まれているようです。

話が専門的で難しいと思いますが、「感染」とは、微生物がヒトの口や鼻など(膀胱炎では尿道)から侵入して(ここまでが伝播、伝染)、ヒトの免疫防御機能に打ち勝って(風邪や膀胱炎など)、あるいは逃げ延び隠れて(肺結核、ウィルス性肝炎、帯状疱疹など)生き残った状態、これを「感染の成立」といいます。

例えていうと、食事をしているときにコップに入っている水をこぼして服がぬれた状態が「伝播、伝染」で、タオルで拭き取るかそのまま乾かせばすぐに元に戻る状態です。

一方、コップに入っていたものがジュースの場合、タオルで直ぐに拭き取っても完全には吸い取れずに残り、何もしなければ強いしみとして残ります。これが「感染」です。

例えが良かったか、理解しやすかったかは分かりませんが、「感染」と「伝播、伝染」の違いはこのようなものです。

 

「濃厚接触者」とは?

保健所から、「知人が感染者であることがPCR検査で判明し確定し(あるいは、個人名を明かさずに、公表のクラスター事例の調査の結果として)、あなたは濃厚接触者となりましたので自宅待機をお願いします。」と言われた経験のある人が何人かはいると思いますが、この「濃厚接触者」の判断基準は以下の通りです。言い換えれば、以下の条件となる状況を避けることができれば、濃厚接触者、ひいては感染者とならないことができます。

要約すると、濃厚接触かどうかを判断する上で重要な要素は「距離の近さ」と「時間の長さ」です。新型コロナウィルス感染者から、ウィルスがうつる可能性がある期間(発症2日前から入院等をした日まで)に接触のあった人について、必要な感染予防策をせず (マスク着用なし、手洗いなし、手指の消毒なし、不十分な換気または換気なし) に手で触れること、または対面で互いに手を伸ばしたら届く距離「1m程度以内」で「15分以上」接触があった場合に、行政上「濃厚接触者」と判断されます。

一般的に、ウィルス性肺炎は症状が最も強く現れる時期に、他者へウィルスを感染させる可能性が最も高くなると考えられています。しかし、新型コロナウィルスでは、発症の2日前から発症後7~10日間程度他の人に感染させる可能性があることが、当初の患者調査の結果から明らかとなっています。特に、発症の直前・直後でウィルス排出量が高くなるため、無症状病原体保有者(症状はないがウィルス検査が陽性の者)からも、感染する可能性があります。

 

私の日常生活の衛生と消毒

 これから日常生活の衛生と消毒について、私の具体例を記しますので参考にしてください。設定条件は、成人の家族同居ありです。

1)  朝起床の直後に、着替えてマスク(不敷布)を着用して、外に新聞の朝刊を取り行きますが、短い距離と時間ですが、帰宅直後に①玄関にてアルコールで両手を消毒し、②マスクを捨てた後に、セッケンで手を洗い(蛇口等のセッケン洗いを含む)、③セッケンで顔を洗い、④うがい用イソジン液(ポピドンヨード)をうすめた水で、1回ゆすいだ後に10回うがいを軽くします。これは、アパートやマンションなどの集合住宅で、新聞受けが各戸玄関から離れた一括した場所にある場合で、玄関の内側にある場合はすべて不要で、戸建てで新聞受けが敷地内であればマスクは不要でしょう。

※ 蛇口等のセッケン洗いは、新型コロナウィルスの感染予防だけでなく、ノロウィルスによる食中毒予防にもなります。

※ 具体的な手洗いのやり方は「手洗いについて」を参照してください。

※ イソジン(ポピドンヨード)による消毒は、接触することで効果が生じるといわれていますので、イソジンを極端に濃くする必要はありませんし、何回も、しつこく行う必要もありません。重要なことは、うがいをする前に、口の中を1回ゆすいできれいにしておくことです。

 

2)  トイレ使用時は、①小便時は水のみで(ていねいにセッケンでも良いです)手を洗い、②大便時はセッケンで手を洗い(蛇口等のセッケン洗いを含む)ます。

 

3)  歯みがきするときには、最後に蛇口等のセッケン洗いを行います。

 

4)  宅配便については、マスク(不敷布)を着用して玄関を開けて受け取り、受領印を押して玄関を閉めた後に、1)と同様に①アルコールで両手の消毒、②マスクを捨ててセッケンで手を洗い(蛇口等のセッケン洗いを含む)、③セッケンで顔を洗い、④イソジンうすめ液のゆすぎとうがいをします。ベランダや庭に出た後も、マスク着用を除いて同様にします。

 

5)  買い物をするときに、①入店するときにアルコールで手を消毒します、②会計のためにレジに並んでいるときに、前の人との距離は腕の長さの2倍程度とり、後ろに次の人が並びだしたら、(なかなかできないとは思いますが)買い物カートを後ろにして距離を確保します、③店外に出るときにアルコールで手を消毒します。

※ 今は消毒用アルコールを店の出入り口に置くところが大半と思いますが、置いていない店を利用することが多い人は、携帯用に50100ml程度のボトルに消毒用アルコールを入れて持ち歩いても良いでしょう。

※ 私もまだ行っていませんが、感染爆発が起こって、地方都市でも1日当りの感染者数が数10万人のレベルに達したときには、買った商品は帰宅直後に、棚や冷蔵庫等にしまう前にアルコール消毒をしたり(外袋、箱の表面を消毒用アルコールをしみこませたテッシュ等で拭く)、野菜や果物の生鮮食品であれば洗剤と流水で洗う必要が出てくるかもしれません。

 

マスクについて

医療用マスク(サージカルマスク)は個人防御策の用具に位置づけられますが、薬局で市販されている一般用のマスクは、装着者自身の個人防御策の用具としてではなく(全く防護しないわけではありません)、つまり、相手からのウィルス吸入量を減少させる効果より、自分から相手へのウィルス拡散を防ぐ効果がより高いと考えられています。つまり、自分と相手の両者がマスクを装着することが必要となります。

マスクの種類別、素材別のウィルス防御効果について、以下のことが明らかとなっています。

不織布は異なる生地でつくられ、3層構造が理想的といわれています(実際に生地を切って断面を見ると3層でした)

最内層は親水性のもの、例えば綿、綿混合のものなど、中間層は疎水性で不織布、例えばポリプロピレン(裏面・側面の素材欄は、ほとんど例外なくポリプロピレン、ポリオレフィン)など、最外層は疎水性のもの、例えばポリプロピレン、ポリエステル、各々の混合のものなどです。

濾過率(ウィルス除去率に相当)70%超となります。

布マスクの濾過率は 0.7 60%までさまざまで、市販の綿敷布マスクは呼吸しやすいですがフィルター機能は低く、綿ハンカチのみのマスクは4層以上であっても濾過率は13%に過ぎません。

ガーゼの濾過率は3%です。

 

マスクの標準的な装着方法を紹介します。

(1) 裏表を確認します  

(2) ノーズピース(横長の硬い部分)を自分の鼻に押し当てて、実際の鼻の形に合わせます

(3) 折り重なっているひだを上下に伸ばします

(4) 鼻の付け根から下あごまでしっかりとおおいます

マスクのサイズが合わないと、縁を密着させることができずに隙間が生じて、例えば会話時に、マスクの内側からも外側からもマスクの縁を介して空気が漏れます。空気の漏れはマスクの生地を介してよりも、マスクの大きさと形状によることが多いので、マスクのサイズは縁が皮膚に密着しやすい適正なものを選びましょう。

 

装着中の注意事項は以下です。

(1) マスクは正しく使いましょう

(2) 一時的であっても、鼻の穴をマスクから外したり、あるいはマスクを下あごまで下ろした後に、再度マスクを上げることは止めましょう

(3) 濡れた場合、汚染した場合、破損した場合は交換しましょう

(4) いかなる理由であってもマスクの表を触れてはいけません

(5) マスクの位置を変えてはいけません

(6) マスクの表を触れてしまった場合、(感染しないように)安全に外して廃棄して、すぐに手洗いをしましょう

※ これらの注意事項は、装着後のマスクの表側はウィルスが付着している可能性のある「不潔」な部分であること、マスクを外して外界の空気に接した皮膚の部分は「不潔」になってしまったこと、「不潔」になった皮膚の部分をマスクの内側に接させるとマスク自体が「不潔」になって用をなさなくなる、という考えに基づいています。

 

次に、標準的な外し方を紹介します。

(1) マスクの表に触れず、ひもを持って外します

(2) 外したマスクはその手でゴミ箱に捨てます

(3) 直ぐに手を洗い、手指のアルコール消毒をします

 

その他注意すべきことは以下です。

(1) マスク生地に対する添加物(香料その他)、コーティング(染色、染織デザインその他)は推奨されていません

※ 販売を妨害するつもりはありませんが、薬局で市販されているマスク用の香料は、科学的にはマスクの効果を下げます

(2) 処理後速やかに手洗いをします

(3) 使い捨てマスクを再使用してはいけません

(4) 使い捨てマスクは、使用した後に外したら速やかに廃棄します

(5) マスクは個人使用で共有してはいけません

(6) 全てマスクは、濡れた場合、見た目で汚染が明らかな場合は交換し、濡れたマスクは着け続けてはいけません

(7) マスクを着用している場合であっても、安全感覚を誤らず、感染予防の方法として人との距離の確保と手洗いの励行にこころがけます

 

マスクを着用する場面、外して良い場面について

 基本的な感染対策である「三つの密(密集、密接、密閉)」の回避、「人と人との距離の確保」、「十分な換気」、と「手洗い等の手指衛生」を行った上で、「マスクの着用」について、マスクを着用する場面、外して良い場面は以下のとおりです。

(1) 屋外の場合

  他者と身体的距離(2m以上を目安)が確保できない中で会話を行う場合は、マスクの着用を推奨します。

  特に夏場については、熱中症予防の観点から、屋外でマスクの必要のない場面では、マスクを外すことを推奨します。

  他者と身体的距離が確保できる場合(例:公園での散歩やランニング、サイクリングなど)や、他者と距離が確保できなくても会話をほとんど行わない場合()(例:徒歩や自転車での通勤など、屋外で人とすれ違う場面)は、マスクの着用は必要ありません。

「会話をほとんど行わない」とは、屋外で人とすれ違う際に簡単な挨拶を交わす場合や、携帯電話で話している者の横を立ち止まらずに通り過ぎるような場合を想定しています。

 

(2) 屋内の場合

  他者と身体的距離がとれない場合(会話をほとんど行わない例:通勤電車)や、他者と距離がとれるものの会話を行う場合は、マスクの着用を推奨します)。

「他者と距離がとれるものの会話を行う場合」については、十分な換気など感染防止対策を講じている場合はマスクを外すことも可能です。

  高齢者等との面会時や病院内など、重症化リスクの高い者(基礎疾患に糖尿病、心疾患、呼吸器疾患がある人、透析加療中の人、ステロイドや抗がん剤を服用しているなど免疫抑制状態にある人、妊婦など)と接する場合にはマスクの着用を推奨します

  他者と身体的距離が確保できて会話をほとんど行わない場合(例:距離を確保して行う図書館での読書、芸術鑑賞)は、マスク着用は必要ありません

ただし、屋内は換気の状況や建物の構造などが一律ではないため、マスクを外す際には、それぞれの場面において、感染拡大防止のために講じられている対策や当該屋内施設の管理者の指示等も踏まえて、適切に判断します。

 

咳エチケットとは?

咳エチケットとは、感染症の病原体を他者にうつさせないために、咳・くしゃみをする際、マスクやティッシュ、ハンカチ、袖、肘の内側などを使って、口や鼻をおさえることです。

対面で人と人との距離が近い接触(互いに手を伸ばしたら届く距離でおよそ2m)が、一定時間以上、多くの人々との間で交わされる環境は、リスクが高いです。

感染しやすい環境に行くことを避け、手洗い、咳エチケットを徹底しましょう。

 

手洗いについて

ウィルスのついた手で眼や鼻、口などを触ると粘膜・結膜を通して感染することがあります。

涙を流すと鼻の中がグジュグジュして、口の中がしょっぱくなった経験があると思いますが、これは、眼と鼻の間には鼻涙管(びるいかん)という、眼の粘膜面と鼻腔(鼻の内腔)をつなげている管あるためで、マスクを着用していても、この管を通して眼に付着したウィルスが鼻の内腔に侵入することがあります。

ウィルスは粘膜に入り込むことはできますが、健康な皮膚には、最表層に厚い角質があって入り込むことができず表面に付着するだけと言われています。角質は、皮膚の感染防御の第一線と医学的に考えられています。

新しい生活様式で、帰宅後の手洗いやシャワーをお勧めしているのはそのためです。軽症者等・同居者は、こまめに手を流水と石けんで洗いましょう

 

物の表面についたウィルスは時間がたてば壊れてしまいます。ただし、物の種類によっては24時間~72時間くらい感染する力をもつと言われています。詳細は後述します。

石けんと流水による手洗いを行うことが最も重要です。ウィルスは水で洗い流すことでかなり数を減らすことができます。手洗いは、たとえ流水だけであったとしても、ウィルスを洗い流すことができるため有効ですし、石けんを使った手洗いはコロナウィルスの膜を壊すことができるので、更に有効です。

具体的には、手指に付着しているウィルス量は、流水による15秒の手洗いだけで1/100に、石けんで10秒もみ洗いし流水で15秒すすぐと1/10,000に減らすことができます。手洗いの際は、指先、指の間、手首、手のしわ等に汚れが残りやすいといわれていますので、これらの部位は特に念入りに、ただし皮膚を傷つけないように洗うことが重要です。

なお、流水と石けんでの手洗いができない時は、手指消毒用アルコールも同様にウィルスの脂肪の膜を壊すことによって感染力を失わせることができます。

 

理想的な標準的な流水とセッケンによる手洗いの手順を以下に紹介します。

  手を水でぬらし、手のひらにセッケンをとり、よく泡立てて、泡立てたセッケンを蛇口につけます

  自動や足踏み式でない場合、泡立てたセッケンをノブにもつけます

  指一つ一つを手のひらで包むようにして洗い、指の間を左右の指が交差するようにして洗い、手首を握るように回すようにして洗います

  指先を手のひらに立てるようにして(爪が長いときは、斜めに寝かせるようにして)指先や爪の間を洗います。その際、爪で手のひらが傷つかないように注意します

  十分な量の流水でセッケンを洗い流し、きれいになった両手ですくい取った流水で蛇口とノブのセッケンを洗い流します

  最後に、きれいになった手で、きれいになったノブを回して水道を止めます

洗った後は、手をタオル(できれば自分専用)、あるいはペーパータオルやティッシュで水をふき取り、しっかり乾燥させます。

感染者の場合、タオルは自分専用のものを使用して、家族でタオルを共用することは避けます。

 

理想的なアルコールを用いた手指の消毒を紹介します。

    手のひらに適量の消毒液をうけとります

    手のひらと手の甲に伸ばすようによくすりこみます

    指先や指の背、指の股によくすりこみます

    親指を手のひらでねじりながらよくすりこみます

    手首を手のひらでねじりながらよくすりこみます

    アルコールは揮発して蒸発するときに消毒作用を発揮するので、完全に乾くまで手をこすり続ける必要はありません

いつでも手指を消毒できるように、消毒用アルコールを各か所(玄関、ベランダ・トイレ等の出入り口など)に、可能な範囲内と必要に応じて配置しておくと便利です。

 

換気について

換気が悪いと、空気中に長時間ウィルスが浮遊していることがありますので、季節を問わず、新型コロナウィルス対策には、こまめな換気が重要です。

窓開けによる効果的な換気の良い例は、対角線上にあるドアや窓を2か所、1回、数分間程度、全開に開放することです換気回数は毎時2回以上が理想的です。

窓が1つしかない場合は、部屋のドアを開けて、扇風機やサーキュレーター(空気循環機)などを窓の外に向けて置くのも効果的です。窓が小さい場合は、キッチンや洗面所の換気扇(レンジフード含む)を回して、空気の流れをつくります。

換気扇(レンジフード)を常時つけておき、1か所換気口や窓を開けることでも換気できます。

24時間換気システムが正しく動いていれば、それだけで十分に換気がされます。常時換気設備や換気扇を常時運転し、室温を大きく変動させることなく最小限の換気量を確保して換気を行うことができます。

外気導入タイプのエアコンも有効です。

 

【夏場における換気の留意点】

高温、多湿の夏場は、熱中症対策が重要です。熱中症の約4割は住居内で発生しています。

夏場は新型コロナウィルス対策より、熱中症対策を優先することをお勧めします。

 

【冬場における換気の留意点】

暖房器具を使用しながら、換気を行いましょう。

暖房器具の近くの窓を開けると、入ってくる冷気が暖められるので、室温の低下を防ぐことができます。

暖房器具の種類や設置位置の決定に当たっては、カーテン等の燃えやすい物から距離をあけるなど、火災の予防に留意しましょう。

短時間に窓を全開にするよりも、一方向の窓を少しだけ開けて常時換気を確保する方が、室温変化を抑えられます。

複数の部屋がある場合、人がいない部屋の窓を開け、廊下を経由して、少し暖まった状態の新鮮な空気を人のいる部屋に取り入れることも、室温を維持するために有効です。

動物の飼育について

動物(イヌやネコ等)を飼育している場合は、軽症者等から動物を介してウィルスの感染を広げる可能性があることから、動物の世話は同居家族が行うようにしてください。

ただし、一人暮らしなどで軽症者等本人が動物の世話をせざるを得ない場合は、動物との過度な接触は控えるとともに、マスクを着用し、動物に触れる前と触れた後に手洗いや手指消毒用アルコールなどで消毒を行うようにしてください。

 

感染経路・・・どこから感染するか

201912月の中国武漢市の患者発生の発表当初は、感染経路は咳やくしゃみ等による飛沫感染と人と物からの接触感染のみで、ヒトからヒトに直接感染することはないといわれていましたが、早い段階で中国の診断医の一部から空気感染を示唆する発言がありました。

多数の患者を集計して科学的に分析できるようになると、他人との距離が1メートル以内の近接した状況(会話時のしぶきは、12mまで届きま)で感染した例が大多数であるものの、これに含まれない例が少なくないことが明らかとなりました。

日本国内でも大学、研究機関等でシュミレーション実験やスーパーコンピューターによる分析が行われ、エアロゾル(水分を含んだ小さな粒子)1メートルを超えて空気中に浮遊し続けうることが明らかになりました。

これらの分析結果から、空間の換気が不十分であったり、人が混雑した空間であったり、同じ空間に長時間滞在したことにより、感染したのではないかと考えられています。

現在は、新型コロナウィルスによる感染は、エアロゾル感染と飛沫感染と接触感染の3つにより生ずる、すなわち、感染経路の中心は飛沫感染と接触感染ですが、閉ざされた空間において近距離で多くの人と会話する等の一定の条件がそろった状況であれば、咳やくしゃみ等の症状がなくても感染を拡大させるリスクがあると考えられています。

したがって、空気感染を防ぐ方法は人との適切な間隔距離、適切な換気、滞在の時間であり、三密(密集、密接、密閉)の回避は、これらを簡単に表現したものです。そして、接触感染を防ぐ方法はアルコールによる物品表面のウィルス拭き取りです。

 

ウィルスの生存期間

 環境中のウィルスの寿命は、米国立アレルギー感染研究所等の研究によると、

空気中で3時間、

銅の表面で4時間(類似で水道の取っ手・蛇口など)

ボール紙の表面で24時間(類似で宅配等の包装紙など)

ステンレスの表面で23(玄関・部屋のドアノブなど)

プラスチックの表面で23

(照明等のスイッチ、固定電話、スマートフォンなど)

などが例として挙げられます。

 また、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号における客室と船内の環境調査では、枕、机、電話受話器、TVリモコン、椅子の取手、トイレの周辺環境から頻回に新型コロナウィルスSARS-CoV-2の遺伝子が検出されました(国立感染症研究所、国立国際医療研究センター国際感染症センター)

 

変異株について

一般的にウィルスは増殖と流行を繰り返す中で少しずつ変異していくもので、新型コロナウィルスも約2週間で一か所程度の速度で、アミノ酸塩基配列が変異している(他のアミノ酸に置き換わる)と考えられています。

ウィルスの数が多ければ多いほど、つまり感染したヒトが多いほど変異株が生まれやすいことになります。

これまでの主な変異株として、ギリシャ・アルファベットの命名順に

B.1.1.7系統の変異株(アルファ株)

B.1.351系統の変異株(ベータ株)

P.1系統の変異株(ガンマ株)

B.1.617.2系統の変異株(デルタ株)

B.1.1.529系統の変異株(オミクロン株)

が挙げられます。

現在、盛んに報道されているオミクロン株は、これまでの変異株に比べて遺伝子の変異箇所が多く、感染力が強く、ワクチンの効果を弱めるものの重症化率が高くないことが明らかにされつつあります。

しかし、個人的な意見ですが、ワクチン接種率の極端に低い国、地域となっているアフリカ、中南米の諸国のワクチン接種が進まない状態の放置が続いた場合、免疫の自然獲得によってこれらの地域の流行が一時的に鎮静化したとしても、再流行によって新たな変異株が近い将来に発生することは明らかです。

そして、将来、これまでになかった変異株、すなわち感染力が強く、重症化率も強く、ワクチン効果も低い変異株が生じる可能性もあります。

 

 

各論(自宅療養)

位置づけ

自宅療養は、入院病床の状況および宿泊施設の受入可能人数の状況や軽症者等(無症状病原体保有者および軽症患者)の家庭の事情を踏まえ、都道府県、保健所設置市(政令市、中核市)、特別区(東京都23)が必要と判断した場合に、軽症者等が外出しないことを前提に実施することとなっています。

 

あらまし

自宅療養は、軽症者等が外出しないことを前提に、自宅での安静・療養を行うものであり、その間、①保健所(または保健所から依頼、委託された者・・・都道府県医師会、看護協会など)から一日一回(症状の状況によって、回数が増える場合あり)の問い合わせに、健康状態(体温、咳、鼻汁、倦怠感、息苦しさ等)報告し、症状が悪化した際の医療機関への受診等を調整するとともに、②配食サービスの食事提供等の生活支援によって軽症者等を支えるものです

 

対象者について

以下の1)4)

1)  軽症者等(無症状病原体保有者および軽症患者)であって、感染防止に係る留意点が遵守できる者

2)  高齢者、

②基礎疾患(糖尿病、心疾患又は呼吸器疾患、透析加療中等)がある者、

  免疫抑制状態である(免疫抑制剤または抗がん剤を使用している)者、

  妊婦、

でない者

3)  2)当たる者と同居していない者(同居している場合は、入院措置または、入院が困難な場合は宿泊療養を優先します)

4)  医療従事者や福祉・介護職員など、その業務において、高齢者等と接触する者(同居している場合は宿泊療養が優先します)

に該当する者の中から

(1) 宿泊療養等が適当と医師(入院中の医療機関、またはPCR検査等を受けた医療機関)が判断した者

であって、

(2) 都道府県等(都道府県等の調整窓口等)において自宅療養により対応するとされた者

 

解除について(20228月時点の基準)

以下の条件を満たしたときに解除となります。

1)臨床症状による基準

(1)有症状者(人工呼吸器等による治療を行わなかった場合)

①発症日から10日間経過し、かつ、症状軽快後72時間経過した者

(2)無症状病原体保有者(B.1.1.529 系統(オミクロン株)の無症状患者)

①検体採取日から7日間を経過した者は8日目に療養解除を可能とする

 10日間が経過するまでは、検温など自身による健康状態の確認や、リスクの高い場所の利用や会食などを避けること、マスクを着用することなどの感染対策が求められます。

 

2)病原体検査による基準

(1)有症状者

①症状軽快後24時間経過した後、PCR検査または抗原定量検査で24時間以上間隔をあけ、2回の陰性を確認できた者

(2)無症状病原体保有者

①検体採取日から6日間経過後、PCR検査または抗原定量検査で24時間以上間隔をあけ、2回の陰性を確認できた者

※ 発症日とは、患者が症状を呈し始めた日

 無症状病原体保有者又は発症日が明らかでない場合は、陽性確定検体採取日

※ 症状軽快とは、解熱剤を使用せずに解熱し、かつ、呼吸器症状が改善傾向に

 あること

 なお、医療保健関係者による健康状態の確認を経て、宿泊療養・自宅療養を終えるものであるため、療養終了後に勤務等を再開するに当たって、職場等に、陰性証明を提出する必要はありません

 この取扱いは、厚生労働省本省から各都道府県労働局にも周知しています

 

基本事項

独居、一人暮らし

自宅療養中は行動範囲を最小限とし、できる限り部屋から出ないようにして、人との接触の機会を減らし、基本的に外出できません。

部屋から出なくても、外出しなくても用事が済むような仕組みが整えられています。

 

同居者あり

軽症者等は基本的に個室で過ごして、同居する人とは部屋を分けて生活空間を分け、極力個室から出ないようにします。

行動範囲は最小限として、同居家族で接触する人は最小限とします。

軽症者等が過ごす部屋(スペース)から出るとき、同居者と会話をするとき、トイレ、浴室など、共用するスペースに入るときは、その前に、まず、手洗いあるいはアルコール消毒を行い、マスクを正しくつけて下さい。

家族または同居者と会話をするときは、会話の時間はできるだけ短くし、双方とも不織布マスクを正しく着用し、2m程度の距離を保って下さい。

なお、住宅事情から部屋を分けることができない場合は、少なくとも 2 m以上の距離をあけ、仕切りやカーテンでエリアを区切って過ごします。

 

基本的な掃除と消毒について

一人暮らし

一人暮らしの人は、部屋の消毒は基本的に不要ですが、日常的な清掃を行い、清潔な環境で過ごして下さい。

 

同居者あり

手がよく触れる共用部分を掃除・消毒しましょう。

軽症者等の方が触れる物については、一日1回以上、清掃してください。

感染している人が、手で鼻や口をおさえると、手にウィルスがつきます。その手で手すり、テーブル、ドアノブなどに触れることで、ウィルスが環境表面につきます。

そして、他の人がその場所を知らずに触り、その手で自分の口、鼻、目に触れることで感染することがあります。

新型コロナウィルスには、界面活性剤を含む食器用洗剤・家庭用洗剤・住居用洗剤・洗濯用洗剤、石けん、アルコール(濃度60 % 以上)、次亜塩素酸ナトリウムが有効です。

窓を開け、換気を行いながら消毒します。

厚生労働省では、諸外国の知見も踏まえ、消毒剤や、その他ウィルスの量を減少させる物質について、これが人の眼に入ったり、皮膚に付着したり、吸入されたりするおそれのある人状況での空間噴霧をおすすめしていません。(空気や環境の表面の除染方法として有効かつ安全な噴霧が科学的に証明された事実は確認されていません。)

世界保健機関(WHO)が新型コロナウィルスに対する消毒に関して発表した見解では、「室内空間で日常的に物品等の表面に対する消毒剤の噴霧や燻蒸することは推奨されない」、「路上や市場といった屋外においてもCOVID-19やその他の病原体を殺菌するために噴霧や燻蒸することは推奨せず」「屋外であっても、人の健康に有害となり得る」、「消毒剤を(トンネル内、小部屋、個室などで)人体に対して噴霧することはいかなる状況においても推奨されない」としています。

 

掃除と消毒について

居室ほか

112回、よく触れる場所(部屋のドアノブ、テーブル、手すり、照明のスイッチ、リモコン、洗面台等)を1 0 0 倍希釈した家庭用洗剤で拭き掃除し消毒します。

消毒は、スプレーや噴霧ではなく、拭き取りで行います。

 

トイレ、浴室

トイレや浴室は、使用の都度、住居用洗剤で拭き掃除をします。

気になる場合は、アルコール又は薄めた漂白剤(0.0 5%次亜塩素酸ナトリウム水溶液)を含んだキッチンペーパーやティッシュで拭きます。

トイレは、共用する場合は、換気扇などで換気をしっかり行います。

感染者が使用した後は、便座、流水レバー、ドアノブ、照明スイッチなど手が触れるところをアルコール または薄めた漂白剤(0.05%次亜塩素酸ナトリウム水溶液)をしみこませたキッチンペーパーやティッシュで消毒します。

トイレやお風呂も軽症者等の専用が望ましいですが、共用する場合には、

清掃と換気を十分に行い、入浴は最後に行うようにしてください。

 

掃除と消毒の手順

消毒液:アルコールあるいは0.05%に希釈した次亜塩素酸ナトリウム水溶液

消毒するときには使い捨て手袋を使用し、終わったら手袋を外してよく手洗いをしましょう。

漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム水溶液)を使用した場合は、拭いた場所がさびるおそれがありますので、消毒後は水拭きして下さい。

参考 消毒液(次亜塩素酸ナトリウム水溶液)の作り方

塩素系漂白剤は商品により塩素濃度が異なるので確認して下さい

ペットボトルを利用すると簡単ですキャップ 1 杯が約 5mℓ相当します

使用濃度

原液濃度

方法

使用目的

0.1%

5 %

5 00 mℓのペットボトル 1 本の水に

原液 10 mℓ(ペットボトルのキャップ 2 杯)

おう吐物

ふん便の処理

0.05%

5 %

5 00 mℓのペットボトル 1 本の水に

原液 5 mℓ(ペットボトルのキャップ 1 杯)

調理器具、トイレのドアノブ

便座、床、衣類などの消毒

注意すること

次亜塩素酸ナトリウムを使用するときは、十分に換気して下さい

希釈したものは時間が経つにつれ効果が減っていきます。その都度使い切るようにします。

誤飲しないよう、作り置きはやめましょう。

手指の消毒には絶対に使用しないで下さい。

保管する際は、危険なので子供などの手の届かないところに置きましょう。

 

ごみ廃棄物の取扱いについて

ごみの取扱いは、自宅軽症者等だけでなく家族等も意識します。

ごみ箱は感染者専用とします。

ごみ捨てを行う前後は直ちに手を石鹸で洗います。

ごみ袋はしっかりしばって封をします。

ごみに直接触れないようにします。ビニール袋を縛り、捨てたティッシュに手が触れないようにして下さい。

鼻をかんだティッシュなどにもウィルスが付着しています。鼻をかんだティッシュはすぐにビニール袋に入れ、袋をしばって、室外に出すときは密閉してから部屋から持ち出して捨てます。

発症した人の唾液や喀痰を拭うのに使用したティッシュや、看病に使用したものを捨てるときは、あらかじめごみ箱にビニール袋をかけ、そこに入れるようにします。

気になるときは、ごみ袋を二重にして下さい。

作業後は手洗いを行って下さい。

配食サービスによる弁当の容器等についても同様です。

ごみは家族等の同居者が捨てること(ゴミ出し)が基本です。

自宅軽症者等が独居である場合など、本人がごみ捨てを行わざるを得ない場合、ごみをまとめる時にごみ袋の外面に触れたり、ごみ捨て時にドアノブ等に触れることが想定されるため、ごみ袋の外面やドアノブ等に触れる前に必ず手洗いや手指消毒を行うとともに、ごみをまとめる時やごみ捨て時にマスクを着用することを徹底した上で、本人が行っても差し支えありません。

 

食事について

食事は自分の部屋(スペース)でとります。部屋が分けられない場合は、時間差で食事をするなど工夫が必要です。

食器はできるだけ使い捨てのものにして、食事が終わった後はビニール袋に入れてしばって捨てます。

食器を共用する場合は、食器用洗剤で洗います。気になるときは、0.05%に希釈した次亜塩素酸ナトリウムに10分浸け置いた後、通常通り洗剤で洗って下さい。

 

配食サービスについて

配食サービスの提供には、アレルギー食など特別の配慮を要する場合への対応や栄養素等に配慮した献立も含まれています。

配食サービスの実施方法には、自治体により以下の3通りがあります.

  都道府県等と配食事業者等が契約に基づき、自宅軽症者等に対して食事を提供する方式、

  都道府県等が自宅軽症者等に対し補助券等を発行、自宅軽症者等が民間デリバリーなどから配食事業者等を選択する方式、

  一定期間、保存可能な食品をパッケージ化して配送する方式

新型コロナウィルス感染症対策事業として支出されます。

1食当たり1,500円、1日3食当たり4,500円が上限となっています。

(いずれも配送費、飲料費を除く)

同事業に基づく配食サービスは、同居家族等については対象外です。

※衛生用品等、自宅軽症者等の健康管理に必要な備品、消耗品をパッケージ化して配送は、真に必要な場合に限り補助対象となることがあります。

配食で利用する容器は使い捨てにすることが基本です

配食事業者等が食事の配送ときは、自宅軽症者等と直接接触しません。

 

入浴について

風呂の順番は感染者を一番最後とし、使用後は浴室の内部をシャワーで洗い流し、窓を開けて換気を行って下さい。

 

洗濯について

汚れたリネン、衣服を洗濯しましょう。

衣類・布団や枕カバーに、下痢、嘔吐などの体液がついている可能性がある場合は、80°C10分以上の熱湯消毒をしてから、通常の洗濯を行います。

(熱湯消毒する際は、熱傷に気を付けます)

気になる場合は、他の人の分とは分けて洗濯します。

加熱式の乾燥機にかけることも有効です。

色落ちが気にならないものであれば、薄めた次亜塩素酸ナトリウム水溶液(0. 05%で使用する)も有効です。

 

物品について

タオルや衣類は共用を避けます。

リネン(タオル、シーツなど)、食器などの身の回りのものは、感染者本人専用として、同居の方との共用は避けます。

 

高齢者等や医療従事者等と同居している場合

軽症者等が高齢者等や医療従事者等と同居している場合、生活空間は必ず分けます。

具体的には、居室を分けて接することがないようにする必要があります。

また、トイレやお風呂も分ける方が望ましいですが、共用の場合は、トイレを共用する場合は、使用する都度、消毒・換気をすること、お風呂については、入浴する順番について軽症者等を最後とし、入浴後に十分な清掃と換気をする必要があります。

こうした対応を行うことが物理的に困難な場合や、療養上の留意点を守ることが困難な場合には、自宅療養ではなく宿泊療養で対応する必要があります。

 

 

子育て中、障害者・児との同居の場合

自宅療養の対象者が、障害者・児と同居しているなど、自宅療養の対象者が介護を担う場合等では、一時的に預かることが可能な親族等の有無を確認して、対応が困難な場合、感染防止対策を徹底した上で自宅療養、必要に応じて市町村障害福祉部門や児童相談所等とも連携して対応することになります。

子育て中、他の同居者が陰性の子どもを養育できない場合や当該対象者がひとり親の場合等では、同様に対応することになり、対応が困難な場合、感染防止対策を徹底した上で自宅療養、必要に応じて児童相談所等とも連携して対応することになります。

 

看護、介護の方法

可能であれば、看病を行う人は 1人に限定します。看病をする人を1人に限定することで、接触による感染リスクを下げることができます。

やむを得ず、感染者と介護者が相対するときには、距離をとり(2m以上)、双方マスクを正しく着用し、短時間にすることが望ましいです。

看病をする人はワクチン接種を2回完了した人が望ましいです。(3回目のワクチン接種を完了した人であればなお望ましい)

ただし、ワクチンを2回以上接種した人でも、感染対策は行って下さい。

感染者の部屋に入るときや、看病をするときは、感染者も看病をする人も、どちらもマスクをつけます。

症状ある人は、マスクを着用します。

看護をする人は、マスク・(必要に応じて)手袋を着用します。

こまめな手洗いと消毒を行います

体を拭いたり、排泄物・体液に触れる可能性があるときは、マスクに加えて、使い捨てのエプロンや手袋(プラスティック製など)を使います。

使い捨てエプロンが手に入らないときは、大判のゴミ袋(ビニール袋)で代用できます。

部屋を出たらすぐに手を洗います。

看病する人も毎日2回は体温測定を行い、感染症状が出てこないか、毎日自分で確認します。

疑いまたは確定患者に対しては、接触・飛沫感染予防策を行います

接触・飛沫感染予防策には医療用マスク、ガウン、手袋と眼の保護具の使用が含まれます。

 

保健所等への健康観察の連絡、報告について(参考)

報告の頻度は、1日1回が目安となります。

報告内容は、国の通知(健康観察票)から以下の項目になります。

1)  体温

2)  喀痰・咳嗽

3)  息苦しさ

4)  全身倦怠感

5)  嘔気・嘔吐

6)  下痢

7)  意識障害

8)  その他(食欲の有無、尿の有無、鼻水・鼻づまり、のどの痛みなどその他)

 

セルフチェックを行う自宅軽症者等の報告は、原則1日2回。

 外来患者でそのまま自宅療養へ移行する場合は、その後、ウィルス量が増加する可能性があるので、報告回数は1日3回(朝・昼・夜)または4回(朝・昼・夕・寝る前等)が目安となります。

 

【緊急性の高い症状】 ※は家族等が以下の項目を確認した場合になります。

〔表情・外見〕顔色が明らかに悪い※

唇が紫色になっている

いつもと違う、様子がおかしい※

[息苦しさ等]息が荒くなった(呼吸数が多くなった)

急に息苦しくなった

生活をしていて少し動くと息苦しい

胸の痛みがある

横になれない。座らないと息ができない

肩で息をしている

突然(2時間以内を目安)ゼーゼーしはじめた

〔意識障害等〕ぼんやりしている(反応が弱い)※

もうろうとしている(返事がない)※

脈がとぶ、脈のリズムが乱れる感じがする

医療機関への搬送手段としては公共交通機関の利用を避けて、都道府県等において移動手段(公用車、民間救急車など)を確保するか、自家用車の利用を検討しておきます。

 

医療機関の受診につて

医師による診察または処方、薬局における服薬指導等が必要になった場合には、通常の外来受診(他の患者に混じって受診すること)は極力避けることが基本となります。

往診または訪問診療のほか、電話等情報通信機器を用いた診療等の活用が想定されています。

外来受診が必要(電話やWeb診察では不十分で診断が困難)と思われる場合は、都道府県等が調整の上で、医療機関まで都道府県等において確保した移動手段や自家用車を利用するなど、公共交通機関の利用を避ける必要があります。

 

同居者の健康管理、衛生管理、感染予防

同居している人も、感染者の自宅療養期間中は、自身の健康状態を毎日確認します。

外出する際のマスク着用、こまめに手を洗うなど、日々の感染予防策も行います。

 

ワクチン接種について

ワクチン接種は、感染した人も治癒した後で行うことが有効です。

同居の人も、未接種の場合は接種することをおすすめします。

ワクチン2回接種後も、ブレークスルー感染することがあり、日々の基本的な感染対策を緩めることなく行うとともに、重症化防止のためにも3回目のワクチン接種を行いましょう。

 

民間保険の請求(参考)

保険会社の医療保険等の入院給付金の請求のために、宿泊療養または自宅療養の証明書を求められた場合の対応について

新型コロナウィルス感染症の状況等を踏まえ、保険会社の医療保険等の入院給付金については、感染が確認された人のうち、宿泊療養や自宅療養となった者に対しても、医師の証明書等に基づいて、同給付金等の支払いの対象となることがあります

生命保険協会および日本損害保険協会では、一部都道府県との協議の上、医療従事者等の事務負担を考慮し、通常の保険金支払いに要する手続きを簡略化し、最低限の情報に基づき支払いを行うような取り扱いを行っています。

感染症法に基づく新型コロナウィルス感染症の就業制限の通知・就業制限の解除通知については、対象者の氏名、就業制限の期間が含まれている場合には、宿泊療養または自宅療養を証明する書類として取り扱うことも可能です。

 

 

 

<参考文書>※ 一部引用(自家翻訳含む)、改編あり

1)  新型コロナウィルス感染症の軽症者等に係る自宅療養の実施に関する留意事項(第2版)令和2年5月1日(令和2年6月2日改訂)

2)  「新型コロナウィルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養及び自宅療養の対象並びに自治体における対応に向けた準備について」に関するQ&Aについて(その5)事務連絡 令和2年6月2日

3)  新型コロナウィルス感染症自宅 療養者向けハンドブック<感染を拡げないために>自宅療養をする方へ同居の方へ[ 第 3 版 ]東京 i C D C 専門家ボード

4)  Interim guidance, 5 June 2020 WHOAdvice on the use of masks in the context of COVID-19

5)  新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)令和4年4月27日版(厚生労働省)

 

厚生労働省HP「更新情報」「自治体・医療機関向けの情報一覧(事務連絡等)(新型コロナウイルス感染症)2022」に通知の一覧が掲載されていますので、詳細な情報、最新の情報はこちらを参照してください。また、国立感染症研究所HPの掲載記事も参考になります。