ポストポリオってなに?
手足に運動麻痺の後遺症を持ちながらも、元気に日常生活を送っていたポリオ経験者が40代〜50代になった頃に、あらたに筋力の低下や筋肉の痩せ、筋肉・関節の痛み、手足のしびれや冷感、腰痛、異常な疲れ易さなどの症状が出現することがあり、PPS(ポストポリオ症候群、ポリオ後遅発性筋萎縮症)と呼ばれています。筋力の低下と同時に、またはこれに先立って、その筋肉内の筋繊維がぴくぴくと細かく動く過敏現象(筋繊維攣縮)が見られることもあります。
PPSはポリオ経験者がすべて発症するわけではありません。男女間では男にやや多いようです。PPSの諸症状は後遺症のある同じ手や足に現れることが多いが、他の手足に見られることもあります。
PPSの筋力低下や筋萎縮はしばらくの間は進行しますが、数ヶ月〜数年の間に進行が停止し、それ以上はしなくなります。かなり回復することもあります。同時に現れた筋・関節の痛みやしびれ、疲れ易さも次第に消失するでしょう。
どうしたらいいの?
神経内科の専門医や、整形外科、内科、理学療法科(リハビリテーション科)で神経・筋肉の障害を専門に診療している医師に相談しましょう。最近は各地にポリオの会ができ、お互いに連絡を取り合っていますので、よい先生が見つからなければ、お近くの会にご相談下さい。
PPSと思われる症状が現れた場合には、無理な運動は避け、安静にしたり、マッサージをしたり、入浴などでその部位を温めるのをお勧めします。いたずらに不安がることなく、ゆったりとした気持ちで生活するほうが、早く症状がおさまります。急性期が過ぎ、筋繊維攣縮、筋力低下、筋肉や関節の痛みなどの症状が軽減してきたら、少しずつリハビリを始めましょう。ラジオ体操や散歩などをお勧めします。目安は疲労が翌日に残らない程度。数日から一週間ぐらい同じ量の運動を続け、調子がよければ少しずつ運動量を増して行きます。
ポリオ友の会東海代表 向山昌邦博士(神経内科)による |